世界最大級の自動車メーカー・トヨタ自動車。1937年の創業から現在まで、12名の社長が経営を担ってきました。本記事では、創業者・豊田喜一郎氏から現社長・佐藤恒治氏まで、88年間の歴史を完全網羅します。
この記事で分かること:
- トヨタ自動車歴代社長12名の完全リスト
- 創業一族・豊田家の系譜
- 経団連会長を2名輩出した影響力
- 豊田章男会長の14年間の改革
- 2023年就任の佐藤恒治新社長
- おすすめトヨタ車とカー用品
目次
- トヨタ自動車とは?企業概要と歴史
- 歴代社長12名の完全一覧表
- 創業者・豊田喜一郎の偉業
- 豊田家の系譜と創業一族
- 経団連会長を輩出した影響力
- 豊田章男の14年間と改革
- 現社長・佐藤恒治氏
- おすすめトヨタ車とカー用品
トヨタ自動車とは?企業概要と歴史
基本情報
項目 | 内容 |
---|---|
正式社名 | トヨタ自動車株式会社(TOYOTA MOTOR CORPORATION) |
本社所在地 | 愛知県豊田市トヨタ町1番地 |
設立 | 1937年(昭和12年)8月28日 |
創業者 | 豊田喜一郎(とよだ きいちろう) |
従業員数 | 約37万人(連結) |
売上高 | 約45兆円(2024年度) |
世界販売台数 | 約1,000万台超(世界トップクラス) |
主要ブランド | トヨタ、レクサス、ダイハツ、日野 |
トヨタの歴史的変遷
- 1867年:豊田佐吉(創業者の父)誕生
- 1933年:豊田自動織機に自動車部設立
- 1937年:トヨタ自動車工業として独立
- 1950年:経営危機。労使紛争で豊田喜一郎が社長辞任
- 1982年:トヨタ自動車工業と販売が合併
- 1997年:世界初の量産ハイブリッド車「プリウス」発売
- 2008年:世界販売台数で世界1位に
- 2023年:佐藤恒治氏が社長に就任
「TOYOTA」表記は、だく音がなくさわやかで、総画数が縁起の良い「8画」になることが理由です。
歴代社長12名の完全一覧表
以下、1937年から現在まで88年間の歴代社長全リストです。
代 | 氏名 | 在任期間 | 在籍日数 | 特記事項 |
---|---|---|---|---|
初代 | 豊田利三郎 | 1937年8月~1941年1月 | 1,249日 | 創業時の初代社長 豊田佐吉の女婿 |
2代 | 豊田喜一郎 | 1941年1月~1950年6月 | 3,468日 | 🏆 創業者 豊田佐吉の長男 経営危機で退陣 |
3代 | 石田退三 | 1950年7月~1961年8月 | 4,049日 | 労使協調路線確立 戦後復興の立役者 |
4代 | 中川不器男 | 1961年8月~1967年10月 | 2,252日 | 高度経済成長期 |
5代 | 豊田英二 | 1967年10月~1982年7月 | 5,387日 | 🏆 在任期間最長 トヨタを世界企業に |
6代 | 豊田章一郎 | 1982年7月~1992年9月 | 3,715日 | 🏆 経団連会長(第8代) 豊田喜一郎の長男 |
7代 | 豊田達郎 | 1992年9月~1995年8月 | 1,064日 | 豊田家出身 短期間での交代 |
8代 | 奥田碩 | 1995年8月~1999年6月 | 1,400日 | 🏆 経団連会長(第10代) 初の生え抜き社長 |
9代 | 張富士夫 | 1999年6月~2005年6月 | 2,192日 | 世界販売台数拡大 レクサスブランド立ち上げ |
10代 | 渡辺捷昭 | 2005年6月~2009年6月 | 1,461日 | リーマンショックの影響 |
11代 | 豊田章男 | 2009年6月~2023年4月 | 5,053日 | 🏆 リーマン後の改革 創業一族への回帰 豊田章一郎の長男 現会長 |
12代 | 佐藤恒治 | 2023年4月~現在 | 現職 | 🔵 現社長 初の非豊田家・生え抜き社長 電動化戦略推進 |
注目ポイント:
- 12名中、豊田家出身は5名(初代、2代、5代、6代、7代、11代)
- 在任期間最長は豊田英二(5,387日=約14年8ヶ月)
- 経団連会長を2名輩出(豊田章一郎、奥田碩)
創業者・豊田喜一郎の偉業
第2代社長:豊田喜一郎(1941年~1950年)
🏆 トヨタ自動車の父・豊田喜一郎
生涯と功績:
- 生誕:1894年6月11日
- 出身:静岡県(豊田佐吉の長男)
- 学歴:東京帝国大学工学部卒業
- 経歴:豊田自動織機で自動車開発を主導
- 没年:1952年3月27日(57歳)
「自動車を国産化する」という夢
1930年代:自動車国産化への挑戦
当時、日本の自動車市場はフォードとGMが独占していました。
豊田喜一郎は父・豊田佐吉が発明した自動織機の特許料で得た資金を使い、自動車開発に挑戦。
「日本人の手で、日本の自動車を作る」
この情熱が、トヨタ自動車の原点です。
1950年の経営危機と退陣
戦後の苦難:
- 戦後の混乱期で経営悪化
- 労働争議が激化
- 銀行団から社長退陣を要求される
- 1950年6月、責任を取り社長辞任
- 1952年、復帰を目前に57歳で急逝
豊田喜一郎の無念:
「もう少し生きて、トヨタの繁栄を見たかった」
豊田喜一郎の名言
「研究と創造に心血を注ぎ、常に時流に先んずべし」
📚 トヨタの歴史を深く知る
おすすめ書籍:
- 「豊田喜一郎伝」名古屋大学出版会
- 「トヨタ物語」野地秩嘉著
- 「トヨタ生産方式」大野耐一著
- 「トヨタの片づけ」
💡 これらの書籍は、世界No.1企業の原点を学べる名著です。ビジネスパーソン必読。
豊田家の系譜と創業一族
豊田家の家系図
豊田グループ創祖・豊田佐吉(1867年~1930年)
自動織機の発明で財を成す。「発明王」と呼ばれる。
↓ 長男
豊田喜一郎(1894年~1952年)【第2代社長】
トヨタ自動車創業者
↓ 長男
豊田章一郎(1925年~)【第6代社長】
経団連会長を歴任。トヨタをグローバル企業に
↓ 長男
豊田章男(1956年~)【第11代社長、現会長】
リーマン後の改革を主導。現在は会長
↓ 長男
豊田大輔(1984年~)
ウーブン・バイ・トヨタ シニア・バイス・プレジデント。次期社長候補?
豊田家出身の歴代社長
代 | 氏名 | 豊田家との関係 |
---|---|---|
初代 | 豊田利三郎 | 豊田佐吉の女婿(娘の夫) |
2代 | 豊田喜一郎 | 豊田佐吉の長男 |
5代 | 豊田英二 | 豊田佐吉の甥(弟・豊田平吉の長男) |
6代 | 豊田章一郎 | 豊田喜一郎の長男 |
7代 | 豊田達郎 | 豊田喜一郎の次男 |
11代 | 豊田章男 | 豊田章一郎の長男(喜一郎の孫) |
創業一族の影響力:12名中6名が豊田家出身。名門企業の家系経営の典型例です。
経団連会長を輩出した影響力
トヨタは、経団連会長を2名輩出しています。
第6代社長:豊田章一郎(経団連第8代会長)
🏆 財界での影響力
経団連会長在任:1994年5月27日~1998年5月26日
主な功績:
- トヨタを世界的企業に成長させた
- レクサスブランドの米国展開
- 「トヨタ生産方式」の確立と世界展開
- 経団連会長として規制緩和を推進
第8代社長:奥田碩(経団連第10代会長)
💼 初の生え抜き社長から経団連会長へ
経団連会長在任:2002年5月28日~2006年5月24日
主な功績:
- トヨタ初の非豊田家出身社長
- 世界販売台数でGMを抜き世界1位に
- プリウスの世界展開を主導
- 経団連会長として構造改革を提言
トヨタの財界での地位
トヨタ社長 | 財界での役職 | 期間 |
---|---|---|
豊田章一郎 (第6代社長) | 経団連会長(第8代) | 1994年~1998年 (4年) |
奥田碩 (第8代社長) | 経団連会長(第10代) | 2002年~2006年 (4年) |
豊田章男 (第11代社長、現会長) | 経団連副会長 | 2012年~ |

豊田章男の14年間と改革
第11代社長:豊田章男(2009年~2023年)
🔥 リーマンショック後の大改革
就任時の危機:
- 2009年:リーマンショックで大幅減益
- リコール問題:米国で大規模リコール、公聴会で証言
- 東日本大震災:サプライチェーン寸断
- タイ洪水:生産拠点が被災
豊田章男改革の5本柱
施策 | 内容 |
---|---|
1. もっといいクルマづくり | • 「量より質」へ転換 • TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)導入 • 走る楽しさの追求 |
2. 電動化戦略 | • ハイブリッド技術の進化 • EV開発の加速 • 水素エンジン車の研究 |
3. モビリティカンパニーへ | • MaaS(Mobility as a Service) • ウーブン・シティ構想 • 自動運転技術開発 |
4. トヨタイムズ創刊 | • 社長自ら情報発信 • SNS活用で顧客と対話 • 「人間・豊田章男」の発信 |
5. 若手人材の登用 | • 年功序列からの脱却 • 実力主義の導入 • 佐藤恒治氏など次世代リーダー育成 |
豊田章男の名言
「自動車を作る会社から、モビリティカンパニーへ。トヨタは変わらなければならない」
「私は、トヨタを守るために、トヨタを変える」
14年間の成果
2009年
約800万台
世界販売台数
2023年
約1,050万台
世界販売台数
営業利益率
10%超
過去最高水準
現在:豊田章男氏は会長として、引き続きトヨタの経営に関わっています。
現社長・佐藤恒治氏
第12代社長:佐藤恒治(2023年~現在)
🔵 現社長プロフィール
氏名 | 佐藤恒治(さとう こうじ) |
生年 | 1969年生まれ |
出身 | 愛知県 |
学歴 | 早稲田大学政治経済学部卒業 |
入社 | 1992年トヨタ自動車入社 |
就任 | 2023年4月1日 |
経歴 | レクサスブランド責任者 GAZOOレーシングカンパニープレジデント |
特徴 | 初の非豊田家・生え抜き社長(奥田碩以来) |
佐藤社長のミッション
🎯 今後の重点戦略
- 電動化戦略の加速
- 2026年:年間150万台のEV販売目標
- 全固体電池の実用化
- ハイブリッド技術のさらなる進化
- ソフトウェア・ファースト
- 車載OSの自社開発
- 自動運転技術「Arene」の展開
- コネクテッド機能の強化
- マルチパスウェイ戦略
- HEV、PHEV、BEV、FCEV全方位で展開
- 地域・顧客ニーズに合わせた最適解
- カーボンニュートラルの実現
- 収益性の向上
- 営業利益率10%以上を維持
- 高付加価値車の拡販
- コスト競争力の強化
佐藤社長の名言
「豊田章男会長が築いた土台の上で、新しいトヨタを作る。その責任の重さを感じています」
2025年度の経営目標
項目 | 目標値 |
---|---|
世界販売台数 | 1,100万台 |
営業利益 | 4.5兆円以上 |
営業利益率 | 10%以上 |
EV販売台数 | 150万台(2026年目標) |
研究開発費 | 1.5兆円 |
人気TOYOTA車 ランキング
トヨタは、世界中で愛される多彩な車種を展開しています。
🚗 2025年人気トヨタ車ランキング
1. プリウス(PRIUS)
特徴:
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- PHEVモデルあり
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4. アルファード(ALPHARD)
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💡 おすすめポイント:家族でのドライブに最適。VIP送迎にも使われる高級車。
5. クラウン(CROWN)
特徴:
- 日本を代表する高級セダン
- 70年の歴史と伝統
- 新型はSUVスタイルも追加
- 価格:約435万円~
💡 おすすめポイント:「いつかはクラウン」の伝統。日本の誇りを感じる一台。
6. レクサス(LEXUS)シリーズ
特徴:
- トヨタの高級ブランド
- 「おもてなし」の精神
- LX、LS、RX、NXなど多彩なラインナップ
- 価格:約500万円~1,800万円
💡 おすすめポイント:世界で認められた日本の高級車。所有する喜びを味わえます。
功績ランキング
🥇 第1位
豊田喜一郎
第2代社長(1941~1950年)
功績:
- トヨタ自動車創業者
- 自動車国産化の夢を実現
- 日本の自動車産業の父
🥈 第2位
豊田英二
第5代社長(1967~1982年)
功績:
- トヨタ生産方式を確立
- 世界的企業への成長を実現
- 在任期間最長(約15年)
🥉 第3位
豊田章男
第11代社長(2009~2023年)
功績:
- リーマン後の大改革
- モビリティカンパニーへ転換
- 「もっといいクルマづくり」実現
トヨタから学べる経営の教訓
✅ 現場主義の徹底
「現地現物」。トップ自らが現場に足を運び、問題の本質を掴む。豊田章男氏はテストドライバーとして自ら運転。
✅ 改善の文化
トヨタ生産方式の根幹。「カイゼン」は世界共通語に。小さな改善の積み重ねが大きな成果を生む。
✅ 長期的視点
目先の利益より、100年先を見据えた経営。創業家による安定した経営が強み。
✅ 人材育成
「人を育てる」ことに注力。豊田章男氏が佐藤恒治氏を育成したように、次世代リーダーを計画的に育成。
✅ お客様第一
「お客様のために」が全ての原点。ユーザーの声に真摯に耳を傾け、製品開発に反映。
2025年以降のトヨタに期待すること
期待される役割:
- 🔋 電動化のリーダー:全固体電池の実用化で次世代EVをリード
- 🤖 自動運転技術:レベル4自動運転の実現
- 🌍 カーボンニュートラル:2050年までにCO2排出ゼロ
- 🏙️ ウーブン・シティ:静岡県に未来都市を建設中
- 🚗 モビリティサービス:MaaSで移動の自由を提供
- 🇯🇵 日本産業の牽引:世界一の自動車メーカーとして日本を代表
佐藤恒治新社長のリーダーシップのもと、トヨタがさらなる進化を遂げることを期待します
トヨタグループの主要企業
トヨタを中核とするトヨタグループ。世界最大級の企業集団です。
企業名 | 主な事業 |
---|---|
デンソー | 自動車部品世界トップクラス |
アイシン | トランスミッション等の基幹部品 |
豊田自動織機 | フォークリフト・繊維機械 |
トヨタ紡織 | 自動車シート・内装部品 |
ダイハツ工業 | 軽自動車・小型車 |
日野自動車 | 商用車(トラック・バス) |
トヨタファイナンス | 自動車金融サービス |
豊田通商 | 総合商社 |
まとめ:トヨタ88年の歴史から学ぶこと
1937年から現在まで、12名の社長が経営を担ってきたトヨタ自動車。
📊 歴代社長から見るトヨタの変遷
🌅 創業期 (1937~1950年代) | 豊田喜一郎の「自動車国産化」の夢からスタート。戦後の経営危機を乗り越え、日本の自動車産業の礎を築きました。 |
📈 成長期 (1960年代~1990年代) | 豊田英二の下、トヨタ生産方式を確立。世界的企業へと成長。「カローラ」「クラウン」など名車を次々と誕生させました。 |
🌍 グローバル化 (1990年代~2000年代) | 世界販売台数でGMを抜き世界1位に。プリウスで環境技術のリーダーに。経団連会長を2名輩出し、財界での影響力を確立。 |
🔄 変革期 (2009年~現在) | 豊田章男の改革で「モビリティカンパニー」へ転換。佐藤恒治新社長のもと、電動化とソフトウェアで新時代に挑戦しています。 |
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