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【2025年最新】経団連歴代会長一覧表|16代77年の変遷と影響力を徹底解説

日本経済界の頂点に立つ「経団連会長」。2025年5月29日、第16代会長として筒井義信氏(日本生命保険取締役)が就任し、注目を集めています。本記事では、1948年の初代会長から現在まで77年間にわたる経団連歴代会長の変遷を、詳細なデータとともに解説します。

目次

  1. 経団連会長とは?基本情報
  2. 歴代会長16名の完全一覧表
  3. 時代別で見る経団連会長の変遷
  4. 出身業界・企業別分析
  5. 経団連会長の選任基準と任期
  6. 現会長・筒井義信氏のプロフィール
  7. 経団連会長の政治・経済への影響力

経団連会長とは?基本情報

正式名称と組織概要

経団連(一般社団法人日本経済団体連合会)は、日本を代表する企業1,400社以上が加盟する日本最大の経済団体です。その最高責任者である会長は、「財界総理」、「財界天皇」とも呼ばれ、日本経済界の顔として国内外で重要な役割を果たしています。

経団連の歴史的変遷

  • 1946年8月16日:経済団体連合会として設立
  • 2002年5月28日:日本経済団体連合会に改組
  • 現在:1,400社以上の企業・団体が加盟

歴代会長16名の完全一覧表

以下は経団連公式サイトに記載された歴代会長の完全リストです:

経済団体連合会時代(1948年~2002年)

氏名出身企業・役職在任期間在任年数
初代石川一郎日産化学工業社長1948.3.16~1956.2.21約8年
第2代石坂泰三東京芝浦電気社長1956.2.21~1968.5.24約12年
第3代植村甲午郎経団連事務局1968.5.24~1974.5.246年
第4代土光敏夫東京芝浦電気会長1974.5.24~1980.5.236年
第5代稲山嘉寛新日本製鐵会長1980.5.23~1986.5.286年
第6代斎藤英四郎新日本製鐵会長1986.5.28~1990.12.21約4年6ヶ月
第7代平岩外四東京電力会長1990.12.21~1994.5.27約3年5ヶ月
第8代豊田章一郎トヨタ自動車会長1994.5.27~1998.5.264年
第9代今井敬新日本製鐵会長1998.5.26~2002.5.284年

日本経済団体連合会時代(2002年~現在)

氏名出身企業・役職在任期間在任年数
第10代奥田碩トヨタ自動車会長2002.5.28~2006.5.244年
第11代御手洗冨士夫キヤノン会長2006.5.24~2010.5.274年
第12代米倉弘昌住友化学会長2010.5.27~2014.6.34年
第13代榊原定征東レ会長2014.6.3~2018.5.314年
第14代中西宏明日立製作所会長2018.5.31~2021.6.13年
第15代十倉雅和住友化学会長2021.6.1~2025.5.294年
第16代筒井義信日本生命保険取締役2025.5.29~現職

時代別で見る経団連会長の変遷

創設期(1948年~1960年代):戦後復興の牽引役

初代:石川一郎氏(1948年~1956年)

  • 戦後復興期の日本経済界をリード
  • 化学工業界出身として経団連の基礎を築く

第2代:石坂泰三氏(1956年~1968年)

  • 最も長期間(約12年)会長を務める
  • 高度経済成長期の象徴的人物
  • 東芝(東京芝浦電気)出身

高度成長期(1970年代~1980年代):日本の経済大国化

第4代:土光敏夫氏(1974年~1980年)

  • 「行政改革の鬼」として有名
  • 臨時行政調査会会長も歴任

第5代・第6代:新日鐵出身の連続就任

  • 稲山嘉寛氏、斎藤英四郎氏と鉄鋼業界が連続リード
  • 日本の製造業黄金時代を象徴

バブル期~平成不況(1990年代~2000年代):構造改革の時代

第7代:平岩外四氏(1990年~1994年)

  • 歴代会長のうち非製造業出身は、3代会長の植村甲午郎氏(経団連事務局)と7代会長の平岩外四氏(東京電力)の2人だけ
  • 電力業界出身の稀有な存在

第8代・第10代:トヨタ出身の影響力

  • 豊田章一郎氏、奥田碩氏とトヨタが2回会長職を担う
  • 自動車産業の隆盛を反映

現代(2010年代~現在):グローバル化対応とデジタル変革

第11代:御手洗冨士夫氏(2006年~2010年)

  • キヤノン出身、精密機器業界から初
  • グローバル化への対応を推進

第16代:筒井義信氏(2025年~)

  • 金融界から初の経団連会長
  • 生命保険業界出身として新時代を象徴

出身業界・企業別分析

出身業界ランキング

1. 製造業:14名(87.5%)

  • 鉄鋼:3名(新日鐵系)
  • 電機:3名(東芝、日立、キヤノン)
  • 自動車:2名(トヨタ)
  • 化学:2名(住友化学、日産化学、東レ)

2. 非製造業:2名(12.5%)

  • 電力:1名(東京電力)
  • 金融:1名(日本生命)
  • その他:1名(経団連事務局)

複数輩出企業

企業名輩出人数歴代会長
新日本製鐵(現・日本製鉄)3名第5代:稲山嘉寛
第6代:斎藤英四郎
第9代:今井敬
東京芝浦電気(現・東芝)2名第2代:石坂泰三
第4代:土光敏夫
トヨタ自動車2名第8代:豊田章一郎
第10代:奥田碩
住友化学2名第12代:米倉弘昌
第15代:十倉雅和

経団連会長の選任基準と任期

選任基準の特徴

基本原則:会長については「日本の中心となる産業」の「中心となる企業」のリーダー(社長・会長・相談役)から選ばれる傾向にあり、歴代会長は原則として製造業のトップが就くという暗黙のルールがある

主な選任要素:

  • 🏢 出身企業の規模・影響力
  • 👨‍💼 個人の経営手腕・人格
  • 🌍 国際的な経験・語学力
  • 🤝 政界・官界とのパイプ
  • 💰 「会長活動に必要な資金を企業が捻出できるか」などを判断の上で決定される

任期の変遷

期間一般的な任期特徴・例外
初期(~1986年)6年程度石坂泰三氏は約12年の長期間
現在(1986年~)2期4年第6代の斎藤英四郎氏以降は慣例化
例外中西宏明氏は健康上の理由で3年で退任

現会長・筒井義信氏のプロフィール

基本情報

  • 氏名:筒井義信(つつい よしのぶ)
  • 出身企業:日本生命保険相互会社
  • 現職:日本生命保険取締役
  • 就任日:2025年5月29日

経歴・実績

筒井氏は、2011年に日本生命社長就任。15年の三井生命保険(現大樹生命保険)の買収を主導し、収益基盤の強化した。18年4月に会長就任。経団連では23年から副会長を務めていた

特筆すべき役職

脱炭素社会の実現を目指し政府主導で24年7月に発足したGX(グリーントランスフォーメーション)戦略の中核機関となる「GX推進機構」の初代理事長に就いた

🔍 歴史的意義

金融界から初の経団連会長として、従来の製造業中心の経団連に新たな視点をもたらすことが期待されています。

経団連会長の政治・経済への影響力

政府との関係

経団連会長は政府の重要な諮問機関のメンバーを務めることが多く、日本の経済政策に大きな影響を与えています。

主な政府関連役職例:

  • 📊 経済財政諮問会議民間議員
  • 🚀 産業競争力会議民間議員
  • 🔮 未来投資会議民間議員

国際的な役割

  • 🇺🇸 日米財界人会議
  • 🇨🇳 日中経済協会
  • 🇰🇷 日韓経済協会
  • 🌍 各種国際会議への参加

メディアでの影響力

「財界総理」と呼ばれた高度成長期のようなパワーはないものの、産業界の利益代表であるとともに、国民世論の声を代弁する役割も担うなど、国政への影響力もある

経団連会長職の特徴と課題

職務の多忙さ

経団連会長職はかなり多忙な役職であるため、歴代の多くの会長は就任時に出身企業の会長(もしくはそれに類する役職)に就任し、出身企業の経営自体は社長など後任に任せているケースが多い

現代的な課題

🔄 DX推進
デジタルトランスフォーメーション

🌱 GX対応
グリーントランスフォーメーション

⚖️ 働き方改革
労働環境の改善

🏆 競争力強化
国際競争力の向上

👥 少子高齢化
人口減少社会への対応

まとめ:経団連77年の歴史と未来への展望

1948年の初代・石川一郎氏から現在の第16代・筒井義信氏まで、経団連会長は77年間にわたって日本経済の発展を牽引してきました。

📈 時代ごとの特徴:

  • 戦後復興期:化学・電機業界が主導
  • 高度成長期:鉄鋼業界の影響力拡大
  • バブル期以降:自動車産業の台頭
  • 現在:金融業界初の会長就任

筒井義信氏が金融界から初の経団連会長として就任したことは、日本経済界の構造変化を象徴する歴史的な出来事です。製造業中心だった従来の経団連が、金融・サービス業にも門戸を広げた意義は大きく、今後の日本経済政策にも新たな視点がもたらされることが期待されます。

経団連会長の変遷は、そのまま戦後日本の産業構造の変化を映し出しており、今後も日本経済の発展方向を占う重要な指標として注目され続けるでしょう。


📚 参考資料

  • 一般社団法人日本経済団体連合会公式サイト「歴代会長」
  • nippon.com「日本生命・筒井氏が経団連会長就任―金融界から初」
  • Wikipedia「日本経済団体連合会」

※本記事は2025年9月時点の情報に基づいています。最新情報は経団連公式サイトでご確認ください。

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