はじめに
本記事は2025年6月16日より発売されている「両利きのプロジェクトマネジメント 結果を出しながらメンバーが主体性を取り戻す技術」(著者:米山知宏氏)についての書評・レビューです。
私もIT系企業で様々なプロジェクトを進行する仕事をしており、「プロジェクトマネジメント」を体系的に学びたいという意欲から本書を手に取りました。
今回紹介する「両利きのプロジェクトマネジメント 結果を出しながらメンバーが主体性を取り戻す技術」は、そんな現代のプロジェクトマネジメントが抱える課題に対して、革新的なアプローチを提示する一冊です。
書籍の基本情報
書名:両利きのプロジェクトマネジメント 結果を出しながらメンバーが主体性を取り戻す技術
著者:米山知宏
出版社:翔泳社
発売日:2025年6月16日
価格:2,420円(税込)/Kindle版 2,178円(税込)
著者について:
米山知宏氏は株式会社コパイロツトのProject Enablement事業責任者/プロジェクトファシリテーター/ナレッジマネージャーとして、20年以上にわたって多数の民間企業から自治体・行政まで、さまざまな内容・規模のプロジェクトに携わってきた豊富な経験を持ちます。
この本が解決する現代的な課題
現代のプロジェクトリーダーが直面する典型的なジレンマをご存知でしょうか?
「計画遵守か、臨機応変か」「指示徹底か、自律重視か」「最短で目標達成か、状況に即して目標変更か」
現代のリーダーはこのような「あちら立てればこちらが立たぬ」状況に追い込まれています。特に20代で初めてリーダーポジションに就いた方なら、この矛盾に頭を抱えた経験があるはずです。
従来のプロジェクトマネジメント手法は論理的で直線的なアプローチが主流でしたが、多くの組織でプロジェクトの失敗や人材の疲弊が問題となっている現状があります。
「両利き」とは何か?
それを解決するのが「両利きのプロジェクトマネジメント」です。「どちらか」ではなく「どちらも」得られるようなプロマネを実現する手法です。
本書では、従来の論理的・直線的なアプローチだけでなく、感性や対話を重視する曲線的なアプローチも組み合わせることで、効率性と創造性、統制と自律性を両立させることを提案しています。
実践の核心:「週1回30分の定例会議」
プロマネの核心、それは「週1回30分の定例会議」です。
従来の定例会議といえば:
- 長時間の進捗報告
- 一方通行の情報共有
- 形式的な確認作業
しかし、本書が提案する定例会議は全く違います。短時間でありながら、チーム全体の主体性を引き出し、プロジェクトを創造的に推進するための仕組みなのです。
本書の構成と内容
第1章 現代のプロジェクトで起こっていること――矛盾する複雑な状況
第2章 前提とする世界観
第3章 両利きのプロジェクトマネジメント――直線と曲線を行き来する
第4章 プロジェクトを両利きで推進するための視点
第5章 マネジメントすべき4つの領域
第6章 プログレス:プロジェクトストーリーを描く
第7章 プロセス:「定例会議」でプロジェクトを推進する
第8章 チーミング:自分たちの主体性を自分たちで引き出す
第9章 ラーニング:未来の自分たちのために学ぶ
第10章 よいプロジェクトをつくっていくための5つのステップ
さらに実践ツールとして:
ツールA アジェンダのつくり方――いま私たちは何を議論すべきか
ツールB 議事録のつくり方
理論から実践まで、体系的に学べる構成になっています。特に具体的なツールまで提供されているのが特徴です。
適用できるプロジェクトの範囲
新規事業・DX・組織変革・IT開発etc. どんなプロジェクトでも結果を出す思考法として書かれており、業界や職種を問わず活用できる内容になっています。
- スタートアップでの新規事業開発
- 大企業でのDXプロジェクト
- まちづくり・建築プロジェクト
- システム開発プロジェクト
- プロダクト新規開発プロジェクト
- マーケティングキャンペーン
- 社内業務改善プロジェクト など
社内や社外、多様なステークホルダーと1つの目的に向かって仕事をされている方は必見です!
20代サラリーマンにとっての価値
1. 新しい時代のリーダーシップを学べる
従来の「指示・命令」型のマネジメントではなく、チーム全員の主体性を引き出す新しいアプローチを学べます。これは特に、フラットな組織文化で働く20代には重要なスキルです。
2. 実践的ですぐに使える
理論だけでなく、明日から使える具体的なテクニックが満載です。特に「30分定例会議」の手法は、どんな規模のプロジェクトでも応用できます。
3. 年齢に関係なく成果を上げられる
年上の部下や経験豊富なメンバーとのプロジェクトでも、全員の主体性を引き出すことで、年齢に関係なく成果を上げることができるようになります。
4. 複雑な現代に対応できる
変化の激しい現代において、計画通りに進めることと臨機応変に対応することの両方が求められます。本書の手法は、まさにそんな現代のプロジェクト環境に最適化されています。
コパイロツトの実践知見が詰まった一冊
コパイロツトがいろいろなプロジェクトに関わりながら探究してきたプロジェクト推進のノウハウをベースにしており、実際の現場で試行錯誤を重ねて生み出された手法が学べます。
単なる理論書ではなく、現場で実際に使える実践書として価値の高い内容になっています。
まとめ:新時代のプロマネスキルを身につけよう
「両利きのプロジェクトマネジメント」は、従来のプロジェクトマネジメントの限界を打破し、新しい時代に対応した手法を学べる貴重な一冊です。
特に20代のサラリーマンにとっては:
- キャリアアップに直結する実践的なスキルが身につく
- 年齢や経験に関係なくチームを牽引できる手法が学べる
- 短時間で高い効果を上げる会議術が習得できる
- 複雑な現代のプロジェクトに対応する思考法が身につく
プロジェクトに関わる全ての人、特に新しい時代のリーダーシップを身につけたい若手サラリーマンには、ぜひ読んでいただきたい一冊です。
変化の激しい現代において、創造的にプロジェクトを進めることは必須のスキル。本書で学んだ「両利き」のアプローチを実践して、あなたのプロジェクトを成功に導いてください。
オススメです!個人的にもビジネス系の本で読んでよかったと心から思った1冊でした。現状に課題を感じている方は是非ポチってみてください。Kindle版なら今すぐダウンロード可能!
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