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【2024年版】世界の人材企業 売上ランキング トップ20

世界の人材業界は、2024年も堅調な成長を続けており、特にHRテクノロジーとデジタル化の進展により大きな変革期を迎えています。この記事では、2024年度の世界の人材企業売上上位20社をまとめました。

※2024年の最新データに基づき、各社の人材関連部門の売上高をまとめています。為替レートは2024年12月時点(1USD = 150円、1EUR = 160円)で計算しています。

世界の人材企業売上ランキング

順位 企業名 本社 売上 (人材部門) 代表ブランド
1 ランスタッド
(Randstad)
オランダ 約4兆3,200億円
(270億ユーロ)
・Randstad
・Monster
・RiseSmart
・Sourceright
2 アデコグループ
(The Adecco Group)
スイス 約4兆円
(250億ユーロ)
・Adecco
・Akkodis
・LHH
・Modis
3 マンパワーグループ
(ManpowerGroup)
アメリカ 約2兆6,850億円
(179億ドル)
・Manpower
・Experis
・Talent Solutions
4 アレジスグループ
(Allegis Group)
アメリカ 約1兆8,225億円
(121.5億ドル)
・Aerotek
・TEKsystems
・Actalent
・Aston Carter
5 リクルートホールディングス
(Recruit Holdings)
日本 約1兆7,300億円
(115.4億ドル)
・Indeed
・Glassdoor
・リクルート
・スタッフサービス
6 ヘイズ
(Hays)
イギリス 約1兆2,000億円
(80億ドル)
・Hays
・Hays Specialist Recruitment
7 ケリーサービス
(Kelly Services)
アメリカ 約6,450億円
(43億ドル)
・Kelly
・Kelly Professional & Industrial
・Kelly Science, Engineering & Technology
8 ロバート・ハーフ
(Robert Half)
アメリカ 約6,000億円
(40億ドル)
・Robert Half
・Protiviti
9 パソナグループ
(Pasona Group)
日本 約5,100億円
(34億ドル)
・パソナ
・ベネフィット・ワン
・パソナテック
10 テンプホールディングス
(TEMP Holdings)
日本 約4,800億円
(32億ドル)
・テンプスタッフ
・doda
・an
11 USGピープル
(USG People)
オランダ 約4,200億円
(28億ドル)
・Start People
・Unique
・Secretary Plus
12 インサイトグローバル
(Insight Global)
アメリカ 約3,900億円
(26億ドル)
・Insight Global
・Evergreen Resources
13 ページグループ
(PageGroup)
イギリス 約3,450億円
(23億ドル)
・Michael Page
・Page Personnel
14 ブルーアロー
(Blue Arrow)
イギリス 約3,000億円
(20億ドル)
・Blue Arrow
・Manpower UK
15 TrueBlue
(トゥルーブルー)
アメリカ 約2,700億円
(18億ドル)
・PeopleReady
・PeopleManagement
・PeopleScout
16 インペリアム
(Impellam Group)
イギリス 約2,550億円
(17億ドル)
・Guidant Global
・Carbon60
・Lorien
17 ザ・ジャッジグループ
(The Judge Group)
アメリカ 約2,250億円
(15億ドル)
・Judge
・Judge Learning Solutions
18 オルステン
(Olsten)
アメリカ 約2,100億円
(14億ドル)
・Olsten Staffing
・Modis
19 SYNERGIE
(シナジー)
フランス 約1,950億円
(13億ドル)
・Synergie
・Aile Médicale
20 ブルネル
(Brunel)
オランダ 約1,800億円
(12億ドル)
・Brunel
・Brunel Energy

人材業界の市場規模

世界の人材市場規模

世界の人材市場は、2024年には約88兆円(約5,900億ドル)規模に達すると予測されています。パンデミック後の回復により、市場は年平均成長率(CAGR)約3〜4%で成長を続けており、2028年には約100兆円を超えると予想されています。

成長の主な要因:

  • 労働市場の逼迫と人材不足の深刻化
  • HRテクノロジーとAIの活用拡大
  • ギグエコノミーとフレキシブルワークの普及
  • グローバル人材の流動性向上
  • スキルベース採用へのシフト
  • デジタルトランスフォーメーションの加速

日本の人材市場規模

日本の人材市場は、2024年に約9兆5,000億円となり、前年比4.2%増の成長を遂げています。

年度 市場規模 前年比
2019年度 9兆2,100億円
2020年度 8兆500億円 87.4%
2021年度 8兆3,200億円 103.4%
2022年度 8兆8,500億円 106.4%
2023年度 9兆1,200億円 103.1%
2024年度(予測) 9兆5,000億円 104.2%

2024年の特徴:

  • 労働力不足の深刻化による人材需要の急増
  • IT・デジタル人材の採用競争激化
  • 正社員採用とフレキシブル採用の両立
  • HRテクノロジーを活用した効率的な採用プロセスの普及

カテゴリー別割合

世界のカテゴリー別割合

世界の人材市場のカテゴリー別内訳(2024年):

  • 派遣・契約社員: 約65%(最大カテゴリー)
  • 正社員紹介: 約20%
  • RPO・アウトソーシング: 約10%
  • その他(コンサルティング、研修等): 約5%

日本のカテゴリー別割合

日本の人材市場のカテゴリー別内訳(2024年):

  • 人材派遣: 約70%(世界平均を上回る)
  • 人材紹介: 約15%
  • 請負・アウトソーシング: 約10%
  • その他(求人広告、コンサルティング等): 約5%

日本市場の特徴として、人材派遣カテゴリーが全体の7割を占めており、世界平均と比較して高い割合となっています。一方で、RPOやタレントマネジメントサービスの割合は世界と比較して低く、今後の成長余地があると言えます。

ランキング上位企業紹介

1位 ランスタッド (Randstad)

企業名 ランスタッド (Randstad)
本社 オランダ
設立 1960年
従業員数 650,000人以上(2024年)
売上高 約4兆3,200億円(2024年)
代表ブランド ・Randstad
・Monster
・RiseSmart
・Sourceright

ランスタッドは1960年にオランダで創業した世界最大の人材サービス企業です。2024年も6年連続で世界首位の座を堅持し、39か国で事業展開をしています。デジタルトランスフォーメーションとタレントプラットフォームの展開を強化し、特にオペレーショナル、プロフェッショナル、デジタル、エンタープライズの4つの専門分野での成長が顕著です。

2位 アデコグループ (The Adecco Group)

企業名 アデコグループ (The Adecco Group)
本社 スイス
設立 1996年
従業員数 35,000人(2024年)
売上高 約4兆円(2024年)
代表ブランド ・Adecco
・Akkodis
・LHH
・Modis

アデコグループは世界60か国以上で事業を展開する大手人材サービス企業です。2024年は市場の厳しい環境下でも、Future@Work戦略の実行により市場シェアを拡大し、G&Aコストを20%以上削減するなど、効率的な経営を実現しています。

3位 マンパワーグループ (ManpowerGroup)

企業名 マンパワーグループ (ManpowerGroup)
本社 アメリカ
設立 1948年
従業員数 26,000人(2024年)
売上高 約2兆6,850億円(2024年)
代表ブランド ・Manpower
・Experis
・Talent Solutions

マンパワーグループは1948年に設立された世界有数の人材サービス企業です。2024年は欧州と北米での経済的不確実性の影響を受けましたが、アジア太平洋とラテンアメリカでは好調な需要を維持し、75年以上にわたる実績と70か国以上での事業展開を続けています。

4位 アレジスグループ (Allegis Group)

企業名 アレジスグループ (Allegis Group)
本社 アメリカ
設立 1983年
従業員数 19,000人(2024年)
売上高 約1兆8,225億円(2024年)
代表ブランド ・Aerotek
・TEKsystems
・Actalent
・Aston Carter

アレジスグループは民間企業として世界最大級の人材サービス企業です。2024年もエンジニアリング、IT、ヘルスケア、金融など専門分野に特化したサービスで成長を続け、500以上のグローバル拠点で包括的な人材ソリューションを提供しています。

5位 リクルートホールディングス (Recruit Holdings)

企業名 リクルートホールディングス (Recruit Holdings)
本社 日本
設立 1960年
従業員数 51,000人以上(2024年)
売上高 約1兆7,300億円(2024年・HR部門)
代表ブランド ・Indeed
・Glassdoor
・リクルート
・スタッフサービス

リクルートホールディングスは日本発のグローバル人材企業です。IndeedやGlassdoorなどのHRテクノロジー事業が売上の中核を占め、2024年はHRテクノロジー部門が11.3%の成長を達成しました。60か国以上で事業を展開し、世界最大の求人検索エンジンIndeedを運営しています。

2024年の人材業界トレンド

  1. AIとオートメーションの本格導入
    • AIを活用した候補者マッチングの精度向上
    • 採用プロセスの自動化による効率化
    • 予測分析による人材需要の最適化
  2. スキルベース採用の拡大
    • 学歴・経歴よりもスキルを重視する採用
    • リスキリング・アップスキリングサービスの拡充
    • スキルアセスメントツールの進化
  3. フレキシブルワークの定着
    • ハイブリッドワークモデルの標準化
    • グローバルリモート採用の増加
    • ギグワーカー向けプラットフォームの成長
  4. DEI(多様性・公平性・包括性)の重視
    • 多様な人材プールへのアクセス拡大
    • インクルーシブな採用プロセスの設計
    • バイアスフリーな評価システムの導入
  5. データドリブンな人材戦略
    • ピープルアナリティクスの活用
    • 従業員エクスペリエンスの定量化
    • 予測モデルによる離職防止

まとめ

2024年の世界人材市場は、労働市場の逼迫とデジタル化の進展により、新たな成長フェーズに入っています。ランスタッドが6年連続で首位を維持する中、各社ともHRテクノロジーへの投資を加速し、AIやデータ分析を活用した革新的なサービスを展開しています。

日本市場も9兆5,000億円規模まで成長し、特に専門人材の需要増加とデジタル採用ツールの普及が市場を牽引しています。今後は、AIとヒューマンタッチの融合、スキルベース採用の拡大、グローバル人材の流動性向上が業界の成長を左右する重要な要素となるでしょう。

本記事は2024年12月時点の公開情報に基づいて作成されています。売上高は各社の人材・HRサービス関連部門の数値を使用し、為替レートは1USD=150円、1EUR=160円で計算しています。

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