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【2024年版】世界の外食企業 売上ランキング トップ20

【2024年版】世界の外食企業 売上ランキング トップ20

世界の外食産業は、2024年に約4兆300億ドル(約604兆5,000億円)の市場規模に達し、前年比15.8%の成長を記録しました。この記事では、2024年度の世界の外食企業売上上位20社をまとめました。

※2024年の最新データに基づき、各社のシステムワイド売上高(直営店+フランチャイズ店の総売上)をまとめています。為替レートは2024年7月時点(1USD = 150円)で計算しています。

世界の外食企業売上ランキング

順位 企業名 本社 売上高 代表ブランド・事業
1 McDonald’s アメリカ 約18兆円
(1,200億ドル)
※システムワイド売上
・ハンバーガー
・マックフライポテト
・ビッグマック
・マックナゲット
・CosMc’s(新業態)
2 Starbucks アメリカ 約5兆4,264億円
(361.8億ドル)
※企業売上高
・コーヒー
・フラペチーノ
・ティー
・軽食・サンドイッチ
・季節限定ドリンク
3 Yum! Brands
(KFC・Pizza Hut・Taco Bell)
アメリカ 約4兆8,000億円
(320億ドル)
※3ブランド合計
・KFC(フライドチキン)
・Pizza Hut(ピザ)
・Taco Bell(メキシカン)
・The Habit Burger Grill
4 Restaurant Brands International
(Burger King・Tim Hortons・Popeyes)
カナダ 約4兆3,500億円
(290億ドル)
※3ブランド合計
・Burger King(ハンバーガー)
・Tim Hortons(コーヒー・ドーナツ)
・Popeyes(フライドチキン)
・Firehouse Subs
5 Subway アメリカ 約2兆4,000億円
(160億ドル)
※システムワイド売上
・サブウェイサンドイッチ
・フットロングクッキー
・ラップ
・サラダ
・サイドキックス
6 Domino’s Pizza アメリカ 約2兆2,500億円
(150億ドル)
※システムワイド売上
・ハンドトスピザ
・パンピザ
・ブルックリンスタイル
・チーズブレッド
・ウィング
7 Chick-fil-A アメリカ 約2兆1,000億円
(140億ドル)
※システムワイド売上
・チキンサンドイッチ
・チキンナゲット
・ワッフルフライ
・チキンサラダ
・レモネード
8 Chipotle Mexican Grill アメリカ 約1兆4,400億円
(96億ドル)
・ブリトー
・ボウル
・タコス
・サラダ
・ケサディーヤ
9 Dunkin’ アメリカ 約1兆3,500億円
(90億ドル)
※システムワイド売上
・ドーナツ
・コーヒー
・朝食サンドイッチ
・マフィン
・アイスドリンク
10 ゼンショーホールディングス 日本 約9,658億円
(64億ドル)
・すき家
・はま寿司
・ココス
・なか卯
・ビッグボーイ
・ロッテリア
11 Wendy’s アメリカ 約9,000億円
(60億ドル)
※システムワイド売上
・スクエアバーガー
・ベイクドポテト
・フロスティ
・チリ
・サラダ
12 Panera Bread アメリカ 約7,500億円
(50億ドル)
・アルチザンブレッド
・スープ
・サラダ
・サンドイッチ
・ペストリー
13 Papa John’s アメリカ 約6,750億円
(45億ドル)
※システムワイド売上
・ピザ各種
・パパディア
・ウィング
・デザート
・ドリンク
14 Sonic Drive-In アメリカ 約6,600億円
(44億ドル)
・ドライブインバーガー
・トッツ
・スラッシュ
・シェイク
・ホットドッグ
15 Arby’s アメリカ 約6,300億円
(42億ドル)
・ローストビーフサンド
・カーリーフライ
・ジャイロ
・マーケットフレッシュサンド
・シェイク
16 Dairy Queen アメリカ 約6,000億円
(40億ドル)
・ブリザード
・ソフトクリーム
・グリル&チル
・チキンストリップ
・アイスケーキ
17 Five Guys アメリカ 約5,700億円
(38億ドル)
・ハンバーガー
・ホットドッグ
・フレッシュカットフライ
・ミルクシェイク
・ピーナッツ
18 Jack in the Box アメリカ 約5,400億円
(36億ドル)
・ジャンボジャック
・タコス
・カーリーフライ
・エッグロール
・シェイク
19 Carl’s Jr./Hardee’s アメリカ 約5,100億円
(34億ドル)
・シックバーガー
・ハンドブレッドチキン
・ビスケット
・エンゼルバーガー
・シェイク
20 Panda Express アメリカ 約4,950億円
(33億ドル)
・オレンジチキン
・北京ビーフ
・ハニーウォルナットシュリンプ
・チャウメイン
・フライドライス

※上記は2024年7月時点のレート(1USD = 150円)で計算
※売上高は各社のシステムワイド売上高(直営店+フランチャイズ店の総売上)または企業売上高
※一部推定値を含む

外食産業の市場規模

世界の外食産業市場規模

世界の外食産業市場は、2024年には約4兆300億ドル(約604兆5,000億円)規模に達すると予測されています。2023年の約3兆4,800億ドルから大幅な成長を遂げ、年間成長率(CAGR)約7.8%で拡大を続けています。2032年には約6兆8,100億ドルに達すると予想されています。

成長の主な要因:

  • 都市化の進展による外食需要の増加
  • デジタル注文・デリバリーサービスの急速な普及
  • 観光業の回復による外食需要の復活
  • アジア太平洋地域(特に中国・インド)での急速な市場拡大
  • ゴーストキッチンなど新業態の成長
  • 健康志向メニューへの需要拡大

日本の外食産業市場規模

日本の外食産業市場は、2024年に約28兆円となり、前年比3.5%増の成長を遂げています。

年度 市場規模 前年比
2019年度 26兆1,000億円
2020年度 18兆2,000億円 69.7%
2021年度 20兆4,000億円 112.1%
2022年度 24兆8,000億円 121.6%
2023年度 27兆1,000億円 109.3%
2024年度(予測) 28兆円 103.3%

2024年の特徴:

  • インバウンド需要の本格回復
  • デジタル化・キャッシュレス決済の更なる普及
  • 人手不足対策としての自動化・ロボット導入の加速
  • サステナビリティ重視の経営へのシフト

カテゴリー別割合

世界のカテゴリー別割合

世界の外食産業市場のカテゴリー別内訳(2024年):

  • クイックサービスレストラン(QSR): 約45%(最大カテゴリー)
  • フルサービスレストラン: 約35%
  • カフェ・軽食: 約12%
  • デリバリー専門店: 約5%
  • その他(フードトラック等): 約3%

日本のカテゴリー別割合

日本の外食産業市場のカテゴリー別内訳(2024年):

  • ファミリーレストラン: 約25%
  • ファストフード: 約22%
  • 居酒屋: 約18%
  • 専門料理店: 約20%
  • カフェ・喫茶: 約10%
  • その他: 約5%

日本市場の特徴として、専門料理店や居酒屋の割合が高く、独自の外食文化が形成されていることが分かります。

ランキング上位企業紹介

1位 McDonald’s

企業名 McDonald’s Corporation
本社 アメリカ・イリノイ州シカゴ
設立 1940年(法人化:1955年)
従業員数 200,000人以上(直営店)
170万人(フランチャイズ含む)
売上高 約18兆円(システムワイド売上)
代表ブランド ・ビッグマック
・マックフライポテト
・マックナゲット
・マックフルーリー
・エッグマックマフィン

McDonald’sは世界最大のファストフードチェーンとして、119カ国で4万店舗以上を展開し、毎日6,900万人以上の顧客にサービスを提供しています。システムワイド売上高(直営店+フランチャイズ店の総売上)は約1,200億ドルと、2位以下を大きく引き離しています。2024年は新業態「CosMc’s」の展開やデジタル化の推進により、更なる成長を目指しています。

2位 Starbucks

企業名 Starbucks Corporation
本社 アメリカ・ワシントン州シアトル
設立 1971年3月30日
従業員数 380,000人以上(2024年)
売上高 約5兆4,264億円(企業売上高)
代表製品 ・フラペチーノ
・ラテ各種
・シーズナルドリンク
・コーヒー豆
・軽食・ペストリー

Starbucksは世界最大のコーヒーチェーンとして、80カ国以上で38,000店舗以上を展開。ブランド価値では世界1位(607億ドル)を誇りますが、売上高ベースでは世界2位となります。2024年は北米での売上が苦戦し、CEOの交代など大きな変革期を迎えていますが、依然として強力なブランド力を維持しています。

3位 Yum! Brands(KFC・Pizza Hut・Taco Bell)

企業名 Yum! Brands, Inc.
本社 アメリカ・ケンタッキー州ルイビル
設立 1997年(PepsiCoからスピンオフ)
従業員数 34,000人(直営)
売上高 約4兆8,000億円(3ブランド合計)
主要ブランド ・KFC(150カ国、30,000店舗)
・Pizza Hut(100カ国、18,000店舗)
・Taco Bell(30カ国、8,000店舗)
・The Habit Burger Grill

Yum! Brandsは、KFC、Pizza Hut、Taco Bellという3つの巨大ブランドを擁する世界最大級の外食企業グループです。特にKFCは中国で5,600店舗以上を展開し、アジア市場で圧倒的な存在感を示しています。2024年は地政学的な影響を受けながらも、デジタル化とデリバリーサービスの強化により成長を維持しています。

4位 Restaurant Brands International(RBI)

企業名 Restaurant Brands International Inc.
本社 カナダ・オンタリオ州トロント
設立 2014年(Tim HortonsとBurger King合併)
従業員数 6,000人以上(本社)
売上高 約4兆3,500億円(3ブランド合計)
主要ブランド ・Burger King(100カ国、18,000店舗)
・Tim Hortons(15カ国、5,000店舗)
・Popeyes(30カ国、3,500店舗)
・Firehouse Subs(1,200店舗)

RBIは、Burger King、Tim Hortons、Popeyesという3つの主要ブランドを運営する多国籍外食企業です。特にBurger Kingは世界第2位のハンバーガーチェーン、Tim Hortonsはカナダ最大のコーヒーチェーン、Popeyesは急成長するチキンチェーンとして、それぞれの分野でリーダー的存在となっています。

5位 Subway

企業名 Subway IP LLC
本社 アメリカ・コネティカット州シェルトン
設立 1965年8月28日
従業員数 410,000人(フランチャイズ含む)
売上高 約2兆4,000億円(システムワイド売上)
代表ブランド ・フットロングサンドイッチ
・プロテインボウル
・サイドキックス(スナック)
・カスタムサンドイッチ
・ラップ

Subwayは店舗数では世界最大のサンドイッチチェーンとして、100カ国以上で37,000店舗を展開していますが、近年は店舗数の減少が続いています。2024年はRoark Capitalによる買収が完了し、新商品「Sidekicks」の成功により、北米での既存店売上高は5.9%増を記録するなど、復活の兆しを見せています。

注目の日本企業:ゼンショーホールディングス(10位)

日本のゼンショーホールディングスが世界ランキング10位に入っていることは特筆すべき点です。同社は「すき家」「はま寿司」「ココス」など多数のブランドを展開し、2024年3月期の売上高は9,658億円に達しました。特に:

  • すき家:国内1,957店舗、海外675店舗(売上高2,653億円)
  • はま寿司:国内605店舗、海外62店舗(売上高1,971億円)
  • その他ブランド:なか卯、ココス、ビッグボーイ、ジョリーパスタ、ロッテリア(2024年買収)など

同社は2025年3月期には売上高1兆800億円を目指しており、日本発のグローバル外食企業として注目を集めています。

2024年の外食業界トレンド

1. デジタルトランスフォーメーションの加速

  • モバイルオーダー&ペイの標準化
  • AIを活用したパーソナライゼーション
  • 音声注文システムの導入拡大
  • ロボット・自動化技術の実用化

2. サステナビリティへの本格的な取り組み

  • プラスチック削減・代替素材への移行
  • カーボンニュートラルな店舗運営
  • 食品廃棄物削減への技術投資
  • 地産地消・ローカルソーシングの推進

3. 健康志向メニューの多様化

  • 植物由来タンパク質メニューの拡充
  • カロリー・栄養表示の透明化
  • グルテンフリー・アレルギー対応の強化
  • 機能性食品・スーパーフードの活用

4. 新たなビジネスモデルの台頭

  • ゴーストキッチンの急速な拡大(年間成長率10.6%)
  • サブスクリプションモデルの導入
  • バーチャルブランドの展開
  • 店舗のエクスペリエンス化

5. 労働力不足への対応

  • 賃金上昇と福利厚生の充実
  • フレキシブルな勤務体系の導入
  • 従業員教育・キャリアパスの明確化
  • 自動化による業務効率化

まとめ

2024年の世界外食産業は、パンデミック後の本格的な回復を遂げ、約604兆円という過去最大の市場規模を記録しました。売上高ランキングでは、McDonald’sがシステムワイド売上約18兆円で首位を維持し、Starbucksが企業売上高約5.4兆円で続いています。

注目すべきは、ブランド価値ではStarbucksが世界1位(607億ドル)である一方、売上高ベースではMcDonald’sが圧倒的な差をつけていることです。これは、McDonald’sのフランチャイズモデルの強さと、世界的な店舗網の広さを示しています。

日本企業では、ゼンショーホールディングスが世界10位にランクインし、1兆円企業への成長が現実味を帯びています。また、各社ともデジタル化、サステナビリティ、健康志向への対応を加速させており、これらが今後の競争力を左右する重要な要素となるでしょう。

外食産業は、テクノロジーの進化と消費者ニーズの変化に迅速に対応しながら、更なる成長を続けていくことが予想されます。

本記事は2024年7月時点の公開情報に基づいて作成されています。売上高は各社のシステムワイド売上高(直営店+フランチャイズ店の総売上)または企業売上高を使用し、為替レートは1USD=150円で計算しています。

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